今週末、岐阜で『この世界の片隅に』の特別上映&トークショー が開催されます

 

2016年11月12日に封切された『この世界の片隅に』という映画を、ご存知ですか?

舞台は昭和19年(1944年)の広島。

広島市から呉市に嫁いだ18歳の女性が主人公の、アニメーション映画です。

 

広島出身の漫画家こうの史代さんの原作をもとに、

『名探偵ホームズ』の脚本も手掛けた片渕須直監督が中心となり、

『あまちゃん』で日本中を魅了したのんさんを主演に迎えて作り上げられました。

 

今週末、この片淵監督とのんさん、そして高山市出身の真木太郎プロデューサーが、

岐阜市(土曜日)と高山市(日曜日)にて開催されるイベントに登壇されます。

高山市の方は、まだお席に空きもあるようです。

(※時間・空席状況等、くわしくはこちら → 岐阜新聞・映画部 第10回CINEX映画塾

 

ご都合の合う方に、ぜひぜひお運びいただきたくて、

辛抱堪らずに今、この記事を書いています。

(この映画が好きすぎて、大分長くなってしまったので、続きはぺこりと折りたたみ……)

 

最初、このニュースを聞いた時、土曜日の店を臨時休業したくなってしまったほど、

日曜日の仕事を休みたくなってしまったほど(両方共すんでで堪えましたけれども……っ。)

私はこの映画が――この作品が、とても、とても、大好きです。

 

後々にはきっと、戦争映画。というジャンルに区分されるであろうこの作品は、

『野火』や『火垂るの墓』を観て以来『戦争もの映画』に苦手意識のある方にこそ

ぜひ観ていただきたい映画です。

 

淡く澄んだ柔らかい色彩と音楽を通して、戦時中も今に繋がる「日常」がそこにあることを伝えています。

笑いも悲しみも、楽しさも怖ろしさも、強かさも健かさも、優しさも厳しさも、喪失も生まれるものも。

吹き出したり、ちょっと照れくさくなったり、ほのぼのしたり、一緒に唄を口ずさみそうになったり。

(ものすごく蛇足ですが、私は「すいかどうぞ」と「ロクジ」のシーンがとても好きです。)

……その一方で、『泣ける映画』とも喧伝されていますが、私は泣けませんでした。

 

泣いてなんて、いられるものか。泣いてる間に、この映画を、一秒でも見逃してたまるか。

そう、思わずにはいられなかったくらい、どのシーンも目を離せませんでした。

冷静なトーンで優しく穏やかにそして時に呆気ないほど淡々と進んでいくスクリーンの内から、

こうのさんの原作を読んだ時に感じた静けさと迫力とが、また一層の厚みを増して伝わってきました。

 

11月に全国63スクリーンにて静かに熱く封切られ、その後じわじわと上映館を増やして、

2017年の3月末には累計300館を越えて上映されました。

封切り直後、間近な休みが待ちきれなくて少し遠くのレイトショーに走った日。

たいへん失礼ながら、こんなにも長く上映され、こんなにもたくさんの人がこの作品を知り、

観に行き、それがニュースで流れ、語れる日が来るとは……期待しつつも全く想定していませんでした。

ましてや、監督やのんさんが、身近な映画館に来てくださる日が来ようとは。

それも、封切りから半年以上経ったこの五月に。

――五月まで、この映画をスクリーンで観続けられていることに。

本当に、ただのいちファンでしか無い私ですが、

それが今、実は、何よりもとても、嬉しいです。

 

柳ケ瀬のCINEXでは、トークショーの行われる5月13日(土)から、

6月2日(金)まで期間限定上映が行われます。

(くわしくはこちら → CINEX上映スケジュール

 

今週末はご都合の合わない方も、機会ができましたら、ぜひとも。

昨日からはデジタルセルの先行配信も始まりましたが、

ぜひスクリーンで観ていただきたい、映画です。

ぜひ。

 


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