『はしまで出会うモリカズ』&『オリンピック応援 映画ポスター展』@羽島市 お薦めです…!

 

六月は羽島市(竹鼻)名物の「みそぎ団子」の季節。
午後の休みを幸いに、羽島市の古い街並みの中を一人歩き回りました。

みそぎ団子を買いに行った兎月園さんの入口に置かれてあった
チラシに惹かれて今回はじめて伺った、町屋ギャラリーの展示と、
ギャラリと駐車場兼用の(徒歩圏内)歴史民俗・映画資料館が
どちらもとても楽しくて、素敵で、面白かったです。
 
店の営業時であれば、きっとチラシを分けて頂いて、
ご来室くださるお客さま方にもお知らせできたのに…!と思い、
(毎度)突発的に、この記事を書いています。

『はしまで出会うモリカズ展』は、
不二竹鼻町屋ギャラリーにて、6月28日まで。
 
『オリンピック応援 映画ポスター展』は、
羽島市歴史民俗資料館・映画資料館にて、8月10日までの会期です。
 
もしよろしければ、ぜひぜひ。
(私は、少し立ち寄るつもりで行き、あっという間に数時間が過ぎました…。)
※詳しくは、(かなり熱く…)長くなりましたので、折りたたみφ(._.)
 

その1:『はしまで出会うモリカズ展』

ギャラリは二つの展示室に分かれていて、間の通路からは、坪庭が見られます。
(雨の日だったこともあり、水に濡れる岩苔と白砂が、とてもきれいでした。)
時勢柄と梅雨時平日の午後ということもあり、ほぼ貸切状態だったため、
学芸員さんや館長さんが、適度な距離を保ちつつ、穏やかに楽しく、
今回の展示全体の紹介をしてくださったことも、とても嬉しかったです。
 
★なお、現況への対策も、きちんとされています。詳しくはこちら↓
不二竹鼻町屋ギャラリー広報ページ:『羽島で出会うモリカズ展』
 
●展示室1は、
荒川豊三の染付茶碗と、
安藤實・加藤藤九郎・林正太郎の志野の焼物 各1点、
平野千里・富山親子による木彫2点。
 
入口すぐに置かれた荒川さんのうつわは、珍しい染付の漢詩入。
(荒川豊三≒志野の人。という印象だったので、少し驚きました。)
染付好きとしては、それだけでもわくわくしたのですが、
個人的にとても好きな詩(楓橋夜泊)で、嬉しくなったり。
  
昔々に茶道をしていた母の影響か、志野の焼物が好きなので、
3点の並びの中にも、志野のバラエティと過去と今が観られて、
縄文土器にも通じそうな林さんの骨太志野壺にドキドキしつつ、
好みドンピシャの加藤藤九郎さんの『帯雲』に惚れ惚れしたり。
 
木彫の平野親子の作品は、
繊細な色柄付(懐剣の麗しい蝶柄に口元が緩んでしまいました…)の
雅な濃姫の表情にどこか円空さんを彷彿とさせるお父さん(富山)の作品と、
西洋風の滑らかな彫りと絵の具の盛りの細密さにクラクラする
息子さん(千里)のエネルギー溢れる作品の並びに楽しくなったり。
一見では似ていないのに、じっと見ていると共通する綺麗さに惹かれました。
 

●展示室2は、
熊谷守一の作品6点と、
奥村土牛・中村宗弘・福田平八郎・中川一政・森田沙伊の作品 各1点。
 
守一さんの作品は、大好きな『蟻』を楽しみに伺ったのですが、
(好きすぎて、一枚の絵に対してものすごく長文になりそうなので自重;)
『ひるの月』のていねいな筆運びやサインの衒いの無さに圧倒されたり、
『鶴と太陽』のコミカルさと力強さと何故か同居する軽さに元気をもらったり。
(『裸』のモチーフは、繰り返し描かれる理由を想像して…言葉にならず。)
 
交流のあった作家たち。ということで、同じ室内に展示されていた中では、
土牛さんの『あけび』と、福田さんの「竹」が好きでした。
(『あけび』の丸々とした青が遠目にも鮮やかで、きちんと近づいて観る前に
「あのお茄子の絵、きっと私好きだ…!」と思ったのは、ここだけの話…;)

【不二竹鼻町屋ギャラリー】
〒501-6241 岐阜県羽島市竹鼻町2765番地
 
開館時間:9時~17時(入館は16時半まで)
休館日:月曜日(6月29日~次回企画展に向け展示替えのため休館予定)
入館料:大人300円/中学生以下無料
※専用駐車場なし。(100m以内にある歴史民俗資料館と共用)

詳しくはこちら↓

https://www.city.hashima.lg.jp/0000012492.html

 

その2:『オリンピック応援 ポスター展』

ギャラリから右手に真っ直ぐ100mほど歩いた所に建つのが、
羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館。
(入口でいただいた利用案内のチラシによると、)
昭和46年まで営業していた『竹鼻朝日館』という映画館の跡地に建てられた、
全国でも珍しい公立の映画資料館(兼 歴史民俗資料館)です。
 
一階では、スポーツに関連する映画のポスターが
壁一面上から下までぎっしりと貼られてあり、壮観でした。
レニ・リーフェンシュタールの『民族の祭典』や
市川崑の『東京オリンピック』、篠田正浩の『札幌オリンピック』
などのオリンピック記録映画から、
スポーツ繋がりで『あの夏、いちばん静かな海。(サーフィン)』
『ロッキー(ボクシング)』『ベスト・キッド(空手)』
『キャプテン翼(サッカー)』『スラムダンク(バスケット)』
『遥かなる甲子園(野球)』『めがね(体操)』…etc.まで、幅広く。
 
そのほかにも、岐阜県出身のオリンピック出場選手が当時着ていた
二つのオリンピックの選手制服や、関連記事の展示、
東京オリンピック出場予定選手の紹介記事や、
2019年の女子レスリング世界大会チャンピオンベルトの展示、
前東京オリンピックの記念はがきや切手の展示なども壮観でした。
 

また、常設展が、もの凄く面白かったです。
2階の映画資料館の入口付近には、
8ミリ、16ミリ、32ミリ、それぞれの映写機と関連機材、
カメラやフィルム、映画館資料の現物が歴々と並び、
小さいものからとても大きなものまで……もう、素晴らしく。

佐野浅夫さんが黄門様の時代のご老公一行の直筆サイン
(中谷一郎さんの弥七や野村将希さんの飛猿も…!)や、
資料館が所蔵している、洋画・邦画・アニメポスターの
画像が検索できる端末などもあり。楽しかったです。
 

現在は残念ながら世情によりお休み中ですが、
毎月第二土曜日には、ロイヤル劇場とコラボレーションした
「名作映画のつどい」も開催されているとのこと。
入口の原節子さんのポスターに惹かれて入った身としては、
再開が、今からとても待ち遠しいです。
 

昭和の家電コーナーでは、自分と同い年の家電を見つけたり、
懐かしいパソコンや憧れのドイツ製タイプライターの現物を観られたり。
羽島の伝統工芸縞の綿織物は、実物を触ることもできるので、
それもまた、楽しかったです。
(通常時の土曜日には、地域の保存会の方が実演もされていた由)
 
今は、時勢柄から一時休止中のイベントなどもありますが、
また再開の日を楽しみに、私も再訪したいと思っています。

【羽島市歴史民俗資料館・映画資料館】
〒501-6241 岐阜県羽島市竹鼻町2624-1
 
開館時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜日・祝日翌日・年末年始
入館料:大人300円・団体250円・障がい者割引(付添1人まで)150円
    ※小中学生は無料

詳しくはこちら↓

https://hashima-rekimin.jp/

なお、ギャラリも開館されている日に行かれる場合には、
共通入場券がお得です。ワンコインで出来るタイムワープ。
ぜひ。

 


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